使い込まれたフライパン、料理人の過酷さを
物語る筋張った腕。開店してから10年、その
ほとんどをシニアソムリエの奥様と二人で切
り盛りしてきた。イタリア料理とワインの店
『
グランデ ママ』。
料理に興味を持ちはじめたのは、子供の頃
TBSで放映されていた『
料理天国』（1975-
92）の影響が大きい。盛り付けの美しさや
シェフのユニフォームに憧れを抱くように
なり、高校の頃には市販のアイスクリーム
に苺を混ぜた手作りアイスを作るなど、創作意欲はその当時からのもの。『料理天国』に出演していたシェフの多くが、大阪あべの辻調理師専門学校所属だったこともあり、専門学校は大阪を選んだ。もう一つの理由として「家から出たかったんですよ」と笑う清水シェフ。
茶巾寿司を彷彿とさせる手打ちパスタ
4種類のチーズを詰めたトルテッリーニ ￥1575
当初、フレンチの道をひた走っていたが、4年目を迎えようとする頃イタリア料理との出会いが待っていた。「フレンチよりも、よりシンプルで素材を活かすイタリア料理の方が性に合っていた」のだそう。その後、いくつものイタリア料理店で腕を磨き、山中湖の『オーベルジュ』で料理長を2年務めた。
32歳の時、独立の時期を迎える。生まれ育った世田谷区上馬（かみうま）からほど近い用賀に『
グランデ ママ』を構えた。高校時代に慣れ親しんだ用賀の街並みや景観が気に入っているという。家庭の味、くつろぎの空間を大切にしてくれる店だが、だからと言って料理に一切の妥協はない。手打ちパスタの絶妙な歯ごたえ、均一で実に美しいパスタの形成。
カラスミとブロッコリーのストロッツァプレーティ ￥1575
小エビのカクテル ロベルト風 ￥840
家庭料理でこれだけの質を維持することは容易ではない。毎日台所に立たれている方なら想像に難くないはずだ。上質な素材を見抜く目、その素材にいちばん合った調理法、どれをとっても熟練の成せる技である。そこには、清水英雄さんの素材を理解する気持ちと、料理への愛が溢れている。
【しみず・ひでお】 1964（昭和39）年 東京生まれ
大阪あべの辻調理師専門学校卒業後、虎ノ門のフレンチに4年勤務。その後、イタリア料理に魅せられ、日本橋と赤坂のイタリアレストランでそれぞれ2年。1年ほどオーストラリアに渡り、イタリアレストランを経験。帰国後、前述の赤坂にて料理長を1年、山中湖の『オーベルジュ』で料理長を2年務める。32歳の時、馴染みの深い用賀に『グランデ ママ』をオープン。2007年で10周年となる。
グランデ ママ 【地図】
火〜土：17：30〜24：00（LO 23：00）
日 ：17：30〜23：00（LO 22：00）
月曜定休（祝日の場合営業・火曜休み）
東京都世田谷区用賀3-18-5 1Ｆ
（東急田園都市線用賀駅 北口徒歩4分）
Tel : 03-3707-3666
E-mail : grandemama154@ybb.ne.jp
東京・世田谷にやきとりライブ居酒屋「
「過去10数年、エアエクスプレスの会社でサラ
